HDDに代わる新しい記録媒体、「SSD」とは何か

今、HDDに変わる新しい記憶媒体として注目されているものに「SSD」というものがあります。ここを閲覧している人の中には「どっかのサイトで見かけたかも」という人もいるかもしれません。

パソコンに詳しい人は自分ですでに導入されている人もいらっしゃるかと思います。そうでない人でも、最近のネットブックにはSSDが搭載されているモデルが出てきているので知らずに使っている人もいるかもしれません。

そんな時代の最先端を行くSSDですが、HDD(ハード・ディスク・ドライブ)と何が違うのか分からないという人も多いかと思います。この記事では、パソコンをあまり弄ったことがない人でもSSDについてある程度理解できるよう簡単にして解説していきます。

●2013年改訂:情報が古くなりすぎたので色々追記

●2016年追記:この記事の情報はかなり古い情報です。特にSSDの寿命問題はかなり改善されています。他の最新の情報の参照をおすすめいたします。


Intel Boxed X25-V Value SATA SSD 40GB SSDSA2MP040G2R5


まずはHDDについて

SSDについて話す前に、まずはHDDについて解説します。今までの環境がどうであったのかを理解すれば、SSDについてもより理解しやすくなるでしょう。

HDDはデータを記録する機械

ハードディスクドライブ(英: Hard Disk Drive)、通称HDDはデータを記録する機械です。改めて言われなくても知っている人は多いでしょう。

HDDはパソコンの他にも、DVD・BDレコーダーやTV、PlayStation3などにも搭載され、映像や音楽など様々なデータを記録・保持する役割を担っています。

HDDの構造

HDDは以下のような構造をしています。

HDDの構造

磁気ディスク

磁気ディスク(又は磁気プラッタ)は、実際にデータを記録している円盤状の部品です。磁気を帯びた物質を付着させています。磁気ヘッダが発生させる磁界に、この磁気を帯びた物質(磁性体)が反応してデータを記録したり読み込んだりしています。

素材はガラスやアルミ合金などを使用しており、非常に硬いです。これは、熱や振動などの影響でディスクが変形し、データが読み書き出来なくなることを防ぐためです。

直径はHDDによって異なります。デスクトップパソコンに内蔵しているHDDだと3.5インチ(8.89cm)が一般的です。また、容量を上げるため複数枚搭載されているものが一般的です。

磁気ヘッド

磁界を発生させて磁気ディスクにデータを記録したり読み込んだりする部品です。

スイングアーム

磁気ヘッドを左右に移動させるための腕です。

アクチュエーター

位置決め装置。磁気ヘッドを任意の場所に移動させる装置です。

スピンドルモーター

磁気ディスクを回転させるモーターです。HDDにもよりますが、一般的なHDDでは一分間に7200回転(単位:rpm)しています。

データを記録する仕組み

磁気ディスクには磁性体が付着しています。この上を磁気ヘッドが通り磁界を発生させると、磁気ディスクに付着している磁性体が磁界に反応してN極とS極の向きを変えます。

このN極とS極の向きが実際にHDDへ書き込まれるデータです。
コンピューターは0と1(電気が流れているか否か)で処理を行っています。これとN極・S極の並び方に対応させてやれば電気信号に変換できるので、結果的にデータが記録できる、という仕組みです。

HDDの利点

HDDの利点は、大容量&安価である点です。市販で売られているものでも1TB~3TBという、数年前までは考えられなかった容量のものが、1万円~3万円前後で買えてしまいます。

容量の最大値も年を追うごとに上がっていきています。今後もHDDはどんどん大容量化していくことでしょう。

HDDの断面

HDDは精密機器、弱点も多い

磁気ディスクと磁気ヘッドの間には隙間がありますが、この隙間の長さはなんと10nm以下(ナノメートル、1nmは10億分の1m)しかありません。なので、熱や急激な冷却、振動にとても弱いです。磁気ディスクが変形してデータを正しく読み書きすることができなくなってしまうからです。磁気ディスクが非常に硬質になっている理由も、この熱や振動に強くするための対策なのですが、それでも弱点であることには変わりありません。

HDD自体も熱を発するので廃熱対策を講じないとすぐだめになります。
振動などの理由で磁気ディスクと磁気へッドが接触すれば物理破損も起こします。

また、空気中に浮いているような埃一枚でも磁気ディスクが磁気ヘッダに引っかかった埃と擦れて傷つき致命的なダメージを受けるため、HDD内部には絶対に埃が入らないよう工夫されています。なので、HDDを分解すると二度と使えなくなくなります。

因みに、HDDの寿命は使い方やメーカーにもよりますが5年前後(あまり使わなければ8年くらい)と言われています。ただ、扱いが雑だったり運が悪いと2年そこらで寿命が来る場合もあります。消耗品として考えた方がいいかもしれません。

SSD

HDDについて理解できたらこの記事のテーマである「SSD」について解説していきましょう。

SSDもデータを記録する機械

ソリッド・ステート・ドライブ(英:Solid State Drive)、通称SSDもHDDと同じくデータを記録する機械です。パソコンなどに搭載され、HDDの代わりとして様々なデータを記録することができます。2008年頃から一般にも普及し始めました。

SSDの仕組み

SSDは、デジカメなどに使われているメモリカードの容量を大きくしたものと考えて貰えば大丈夫です。HDDと異なり磁気ディスクがなく、代わりに半導体メモリにデータを記録します。もちろん、パソコンに取り付けるものなのでOSはメモリカードではなくHDDとして認識するよう作られています。

SSD

▲HDDのように磁気ディスクも磁気ヘッドもモーターもありませんね。メモリカードやUSBメモリと同じ構造をしています。

データも磁気ではなく電気的に保存しています。半導体メモリに電流を流し、電荷の偏りを持たせることでデータを記録しています。詳しい構造ですが、かなり難しい話になって正直私もわからないので割合します。
機械に詳しい方はまたご自分で検索してみてください。

SSDの利点

SSDの最大の利点は、データをやりとりする速度がHDDと比べて圧倒的に早いことです。

HDDは、目的となるデータ(あるいは書き込みたい場所)に行くためには磁気ディスクを回転させなくてはいけないため若干無駄があります。

しかし、SSDは目的とする場所に直接電気を流して行けばいいのでとても早くデータをやりとりすることが出来ます。SSDにOSをインストール(導入)して起動すると、環境にもよりますが10秒~30秒ほどで起動完了してしまうほど早くなります。

また、磁気ディスクを回転させることもないので、熱があまり発生せず、音も静かで、電力もあまり使わず、振動にも強くて、しかも軽いです。(カリカリいわない。HDDの重さ500~700g、SSDの重さ70~100g。消費電力・HDD 20~40W、SSD 0.1~0.3W)

SSDの欠点

良いことずくめのような気もしますが、もちろん機械なので欠点もあります。

SSDは新しい技術を使っているので「非常に高価」です。容量あたりの値段がHDDの10倍以上します。一万円もあればHDDなら1TBも楽に買うことができますが、SDDだと100GBだけで1万円してしまうこともあります。

また、フラッシュメモリという部品は、その特性上どうしても書き込み回数に上限があります。フラッシュメモリは、記録部(絶縁体となる酸化膜)に電子を貫通させて書き込みや消去を行います。つまり、何度も書き込みを行うと記録部が劣化して最終的に書き込み不可になってしまうのです。(HDDは磁極を変化させるだけなので理論的には半永久的に書き込み可能です)

従ってどんなに安全な場所で使っていてもいつかは壊れます。

データの読み込みは早いけど、書き込みはそこまで早くないという性質もあります。(HDDよりかはもちろん早い)

他にも、比較的安価なSSDだと「プチフリーズ(プチフリ)」という現象が起きることがあります。もともとフラッシュメモリは大きなデータをやりとりすることを想定した技術なので、細かいデータを扱っていると極端に性能が落ち、一瞬だけフリーズ(操作を受けつけなくなる現象)するという現象が起きてしまいます。

※2013年1月追記:プチフリ問題は最近ほとんど聞かなくなりました。もう気にする必要はなさそう。

HDDと違い、データの断片化(フラグメント。色んな場所にデータが散乱した状態)には強いですが、これを解消する「デフラグ」という作業もやるべきかどうか(書き込み回数に上限があるから)で色んな意見があり、不確定な情報も多いです。

SSDの今後

SSDは便利な反面、気をつけなくてはいけない部分も多い製品です。
寿命問題やプチフリなど、性質上どうしても発生してしまう問題が数多くありますから、一般の方は少々扱いが難しく感じるかもしれません。

しかし、そこまで危惧することはありません。IT関連の技術の進歩は他の分野と比べて圧倒的に早いのですから、これらの問題は徐々に解決されていくはずです。事実、プチフリ問題はしっかりした製品、インテル製SSDなどではコントローラーの改善でほとんど起こらなくなりましたし、ウェアレベリングやTrimという技術で寿命もどんどん延びてきています。

HDDと比べてまだ値段的にも高く扱いにくい製品かと思いますが、改善もされてきているので導入してみたい方はご検討なさってみてはいかがでしょうか。

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Comments [5]

|ω・)。oO(こっそり、遊びに来ました。)
|ω・)。oO(加工技術がどこまで進歩するかが鍵ですね。)

こんにちは、どら博士です。
PCが壊れたので、SSDにいっそ交換します。
ここまで、改善されているのなら、購入してもいいと思いました。
HDDの部分がおかしいらしいです。(近くの修理屋さんによると)

コメントありがとうございます。

HDDの故障ですか、災難でしたね。
私見ですが、今のSSDは容量と価格以外の部分ですでにHDDを上回っていると考えています。

私も、半年くらい前にSSD搭載のPCを購入しました。128GB SSD [Crucial m4 CT128M4SSD2]です。
プチフリは全く発生していませんね。通常使用でも問題なく動作しております。

HDDは磁気ディスクの変形や傷などでだめになります。SSDは寿命の他にコントローラーが故障の原因になるようですが、コントローラーは振動などではそうそう壊れないので、単純な故障率ではすでにHDDよりも高い耐障害性を持っていると思います。

寿命問題も、ウェアレベリングやTrimなどの新技術で劇的に改善しています。
以下のSSD耐久テストを実行しているサイトでは、100年近くの寿命を持っているとの予想も出ています。

http://botchyworld.iinaa.net/ssd.htm

HDDが長くて10年と言われているところを見ると、寿命でさえもすでにHDDを超えていると言えるのかもしれません。
容量が圧倒的にHDDより少ないことと、単位容量当りの価格が高すぎるということをクリアできれば、購入は悪い判断ではないと私は思います。それに見合うメリットはあります。

現在、当SSDのウェアレベリング回数は8回のようです。OSの入れ替えなどの作業をしましたが不良セクタ、エラー訂正回数も工場出荷時より変化なしです。(CrystalDiskInfoによる調査)

ただし、HDD同様いつ何が起こるかは予想不可能なのでバックアップは通常通りしっかりとっておいてください。
SSDは出たばかりの製品ですので、考察・実験サイトが多くあります。それらサイトを参考にして購入するかどうかを決めるとよいでしょう。

以上、回答となります。

このサイトでは、かなり詳しくSSDについて解説されていますね、ホームページ拝見セせていただきました。さて、私もSSDを2台も導入いたしまして、データ読み書きの高速さにおどろいております。モニターに表示される文字が読めないほど速い!パソコンは、ハードディスクしか知らない私にとっては、これは、もはや革命といってもいいのっではないでしょうか?この件について、私のホームページでコメントしております。
binge2.web.fc2.com→日々あった件→64.SSDについて
それでは。

コメントありがとうございます。
BINGE さんのWebサイトも拝見させいただきました。

この記事を書いたのは結構むかしなので、現在の状況とは
少し異なるところもあるのですが(価格については安くなりましたね)、
お役に立てて良かったです。また記事は近々書き直したいと思います。

SSDの寿命や安全性問題も、サーバーなどに利用するとかない限りは
一般利用ではもう問題ないレベルになってきていると思います。
Surfaceなどの小型のパソコンでは搭載が当たり前の時代になりつつあります。

まだ、容量に対する価格という面でHDDには届かないSSDですが、
これからどんどん改善されていくことでしょう。
私もHDD搭載のパソコンからSSDへ交換したときは感動モノでした。

これからの技術の成長も楽しみです。

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