社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC:Japan Network Information Center)は2月1日、世界のIPアドレスを管理するIANA(Internet Assigned Numbers Authority)から未割り当てのIPv4アドレスブロックのうち2つが分配され、残り5ブロックになったことを発表しました。
▲【速報】IANAからAPNICへ、二つの/8ブロックが割り振られました – JPNIC
IPアドレスとは、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピューターや通信機器1台1台に割り振られた識別番号のことです。詳しくは私のサイト内でも解説しています。
IANAは非営利法人ICANN設立後に各種資源の管理を移管され、ANAはICANNにおける資源管理、調整機能の名称として使用されています。
このIANAから、アジア太平洋地域の地域インターネットレジストリ (RIR: Regional Internet Registry)であるAPNICに対し、2つの/8ブロック(一つの/8ブロックは、 約1,678万アドレス)が分配されたことを発表しました。
これにより、IPv4アドレスの中央在庫が残り5ブロックとなります。これらはIANAのポリシーに従って近日中、世界に5つあるRIRに一つずつ分配されることになっており、ついにIPv4アドレスが枯渇することになります。
中央在庫枯渇後も各RIRではIPv4アドレスの分配を継続していきますが、今の割り当て速度を考えるとアジア・太平洋地域は2011年後半に在庫が枯渇すると予測されているようです。
この現状に対してJPNICは、関連各社に対してIPv4アドレス新規分配を受けられなくなることを前提とした準備と対応をお願いしています。
IPv4の在庫が無くなるということで、IPv4に変わるIPのバージョンとして注目されている「IPv6」への本格的な移行が検討されていくことになるでしょう。
IPv6
IPv6【Internet Protocol Version 6(インターネット プロトコル バージョン 6)】はIPv4に代わるIPアドレスのバージョンです。
IPv6の利点はいくつか挙げられますが、一番の利点はアドレスの枯渇を心配しなくていいことです。
128bit=16byte で管理されているので2の128乗個のアドレスが利用可能となっています。この数は「その辺の石ころにも個別に割り当てることができる」くらい大きな数らしいです。(Wikipediaより)
つまり、実質枯渇の心配がないそうです。
その他にもルーターの負荷を軽減させたり、経路選択の機能もいくつか改善されています。
しかし、欠点ももちろん存在して、IPv4との互換性がないためルータの取り替え、ソフトウェアの開発と普及・導入などを行わなくていけないので、資金が必要となってきます。
他にも技術的な部分で不確定な事が多く、それらを解決していないため安全性と安定性、実用性がいまひとつであることもあり、今まで普及してきませんでした。
IPv6の運用試験も行われていますが、これらがまだ解決していないままで移行できるのかどうか個人的にはまだ不安なところはありますね。
参考URL
【速報】IANAからAPNICへ、二つの/8ブロックが割り振られました – JPNIC
APNICによるアナウンス「Two /8s allocated to APNIC from IANA」(英語) (リンク切れ)- APNIC
IPv4アドレスの中央在庫が残り5ブロックに、近日中に分配終了の見通し – INTERNET Watch
IPv4アドレス、いよいよ枯渇……最後の/8ブロックが分配完了へ – RBB TODAY
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