第20回 万が一の事態に備えてバックアップを取ろう!

前回まで3回にわたりWindowsのメンテナンスについて解説しました。パソコンが他の家電製品と違い、定期的なメンテナンスが必要なほど精密でデリケートな機器であることを理解していただけたでしょうか。

しかし、いくら日々メンテナンスを実施していてもパソコンは精密機械、壊れるときは壊れます。その時、皆さんが一番恐れるていることはやはりデータの消失や破損、それに伴うWindowsの起動不良かと思います。もし、このような問題が発生した場合でも被害を最小限にするためユーザーに推奨されているのが「バックアップ」という作業です。

今回の講座では、このバックアップについてその意義とやり方を解説したいと思います。ただし、各種ソフトまで詳しく解説すると記事がとてつもなく長くなるので、今回はWindowsのシステムファイルをバックアップする「復元ポイント」の作成方法のみ解説します。


バックアップ

バックアップ【backup】とは、データの複製を事前に作成し、問題が発生したとしても復旧できるよう備えることを言います。データの二重化とも言われます。

パソコン内のデータはすべてHDDやフラッシュメモリなどに保存されています。これらがデータを保存できているのは磁気や電気を利用しているからです。磁気や電気を利用することで大量の情報をコンパクトに保存することができます。また、複製(コピー)や転送を簡単に行うことができるのも利点です。

しかし、普通は利点ばかりという訳にはいきません。欠点もあります。書類などは燃やすなり破くなりをしないと情報が消えませんが、コンピューターのデータはものの数クリックで完全にデータが、しかも大量に消去できてしまします。リスクが大きいということですね。

また、これらデータを管理しているのはコンピューターですが、コンピューターも万能ではないので誤作動によってデータが意図せず消えてしまったり破損して正しく扱えなくなることもあります。消えてしまったデータが重要なものであった場合は人生すら左右することにもなりかねません。HDDなどが寿命を迎えたりして破損した場合はHDD内のデータすべてが取り出せなくなる場合も考えられます。

このような事態に備え、大事なデータはバックアップを取ることが望まれます。バックアップを取っておけば、たとえデータが破損してしまったとしてもバックアップデータから復元することができるので被害を最小限に抑えることが可能です。また、データ破損などが理由でWindowsの動作がおかしくなっても、バックアップを取っておくと復旧が比較的簡単に行うことができます。

インポート・エクスポート

エクスポート【export】とは、他のソフトが利用できるファイルへデータを保存する機能のことをいいます。ただし、バックアップのようにメールアドレスや設定ファイルなどをエクスポートする場合は、他のソフトとの互換性はあまりなく、出力したソフトでのみ読み込める形式になることが多いです。

インポート【import】とは、ファイルのデータを取り込むとき、変換をして任意のソフトウェアで使用できるようにすることを言います。エクスポートしたファイルはインポートすることで読み込むことができます。例えば Microsoft Office Outlook などのメールソフトは、エクスポートしたファイルをインポートすることでメールやアドレス、メール設定などを読み込み適用することができます。

この2つの単語は、バックアップ関連の操作でよくでるのでここで解説しました。しっかり覚えておいてください。

バックアップ

バックアップデータはどのように扱えばいいのか

外付けHDDやDVD・CDなどの外部メディアに保存しておく

バックアップデータはパソコン内蔵のHDDやSSDよりも、外付けタイプのHDDやDVD・CDなどのメディアに保存しておくのが一般的です。

内蔵の記憶装置、特にWindowsが起動しているCドライブはOSの影響が強いので意図しないデータの消失が起こりやすいです。またWindows自体が破損した場合、OSの再インストール(リカバリ)を強いられることがありますが、このときCドライブ内のデータはすべて消えてしまうのでバックアップデータも消えてしまい意味を成さなくなります。
他にも写真や動画など大容量データは、Cドライブに保存しておくとドライブを圧迫しパフォーマンスの低下を招くことにもなるので、バックアップデータはできるだけ外部メディアに保存するようにしましょう。

写真や動画は容量が大きく、ファイルの変更も行わないことが多いのでDVDなどに保存するのが適しています。メールアドレスやソフトの設定ファイルなどは後々新しくバックアップデータを作成する可能性があるので、こちらは外付けHDDやフラッシュメモリなど上書きに対応したメディアに保存しておくとよいでしょう。大容量の記憶装置がある場合は、動画も設定ファイルもまとめて入れておいても構いません。

外付けHDDがない場合はDドライブなどでも構いませんが、記憶装置自体が壊れてしまった場合バックアップデータが取り出せなくなる可能性があるので注意してください。しかし、Cドライブよりは救出しやすくなるのでバックアップデータもそうですが、バックアップ元となるようなデータ(写真、動画、音楽などの個人データ)もCドライブ以外に保存することを強くお勧めします。

もちろん、これらの記憶メディアは大切に扱いましょう。バックアップデータが消えてしまってはバックアップの意味がありませんので。

無くさないようまとめておく

問題が起きたときはバックアップデータを使って復元するのですから、無くさないようにするのが大切です。バックアップデータを保存するときは、バックアップフォルダなどを新しく作成し、その中にすべて保存してしまいましょう。

写真や動画などは整理しやすいでしょうから大丈夫かと思いますが、メール設定などのデータはどうするか。ごちゃごちゃになりそうな感じもしますが実はまとめてひとつのファイルに入れても問題ありません。
ソフトウェアが作成したバックアップデータは、大体がそのソフトでしか扱えない拡張子をつけて保存します。ソフトを起動して適用するバックアップファイルを探すとき、ソフトはこの特殊な拡張子を持ったファイルしか表示しないのでまとめて保存しておいても探しにくくなることはありません。

といってももちろん例外はあるので、心配な方はそれぞれにフォルダを作成して整理しながら保存すると紛失しにくくなるでしょう。

バックアップ方法(復元ポイント)

では、ひとつ重要な場所をバックアップしてみましょう。Windowsのシステムファイルのバックアップです。

復元ポイント

復元ポイントとは、Windows Me以降のOSが備えているシステムの復元機能です。Windowsのシステムファイルやレジストリ(ソフトのインストール場所やライセンス情報を記録している領域)の現状態を保存することで、Windowsに異常が発生したとしても正常だった状態へ復元できる機能です。

復元ポイントはシステムファイルやレジストリなどに変更が加わったタイミングなどで自動的に保存されます。例えば、Windows Updateをすると適用ミスによるシステム損傷を復元できるようにするため、自動的に復元ポイントが生成されます。

復元ポイントはいつくか保存されるので、復元するときはいくつ前の復元ポイントを使うかが重要となります。うまく問題が発生する直前の復元ポイントを選んで復元すれば被害を食い止めることができます。

【注意】復元ポイントを適用するとインストールされたソフトも無くなる

復元ポイントを作成したときのWindowsの状態が保存されているので、それ以降にインストールされたソフトウェアなどは消えてしまうことがあります。そのときは再インストールする必要があるので注意してください。

しかし、システムと直接関係ない写真や動画ファイルは影響を受けないのでこちらに関しては心配する必要はありません。

【注意】本当に問題なく復元されるかは分からない

システムの復元が復元対象にしているデータにははばらつきがあります。例えば、AとBというデータがある点で関連しているとします。Aは復元対象でBは違うとなると、Aだけが数日前の状態に戻ってBがそのままという現象が起きます。これではAとBにデータの不整合が起きて問題を引き起こすことがあります。

システムの復元が役に立つことはもちろんあるのですが、それ相応のリスクもあるということを覚えておいてください。問題を絶対に直してくれる機能ではありませんので。

復元ポイントの作成方法

  1. Windows7、Vistaともに大きな操作の違いはありません。まずコントロールパネルから「システム」を開きます。

  2. 左上の「システムの保護」をクリックします。

    システムの保護

  3. 「システムの保護」タブを選択します。ドライブの保護情報が読み込まれるので少し待ちます。読み込まれたら各種操作ができるので下の「作成」をクリックします。※7とVistaで表示が多少異なりますが操作は全く同じです。(画像左がWindows 7、右がVistaです)

    システムの保護(Windows 7)システムの保護(Vista)

  4. 復元ポイントの名前を付けます。自分がどのような状況でつくったものなのか分かるよう名前を付けましょう。付け終わったら「作成」をクリックします。

    復元ポイントの名前

  5. 復元ポイントが作成されます。時間がかかる場合もあるので気長に待ちましょう。作成中もWindowsの操作は可能です。

    復元ポイントの作成2

  6. 復元ポイントが作成されました。これで今後システムに何か異常があったとしても作成した日付の状態に戻すことができます。

    復元ポイントの作成3

【重要】復元ポイントの作成数は上限がある

復元ポイントはとても容量が大きいファイルなので古いポイントまで残しておくとドライブの容量を圧迫します。なので、復元ポイントの保存容量には上限が設定されています。それ以上の容量の復元ポイントが生成されると一番古い復元ポイントから順に消去されていきます。

この保存容量の上限は設定で変更することもできます。復元ポイント自体を作成しない設定にもできますがお勧めはしません。容量があまりにも少ないパソコンの応急処置としてだけ実施してください。

復元ポイントの適用

Windowsの調子がおかしいなと感じたら復元ポイントを使って正常だった日の状態に戻すことができます。

  1. 先ほどの「システムの保護」タブ内にある「システムの復元」をクリックします。

  2. システムの復元を行うためのウィンドがでます。次へをクリックします。Vistaの場合はここで利用する復元ポイントを一緒に選択します。直前の復元ポイントを使いたい場合は上の「推奨される復元」、他の復元ポイントを使いたい場合は「別の復元ポイントを選択する」にチェックを入れて「次へ」をクリックします。

    システムの復元(7)
    ▲Windows 7

    システムの復元(Vista)
    ▲Windows Vista

  3. Windows 7の場合はここで復元ポイントを選択します。下の「他の復元ポイントを表示する」にチャックを入れると複数の復元ポイント表示されます。選択したら「次へ」をクリックします。また「影響を受けるプログラムの検出」をクリックすると、選択した復元ポイントを適用したことにより影響を受けるプログラムが表示されます。
    因みにVistaで「別の復元ポイントを選択する」にチャックを入れた場合もこのような表示がでますが、Visdtaにはここで「影響を受けるプログラムの検出」機能を使うことはできません。

    復元ポイントの選択

    影響を受けるプログラムの検出
    ▲影響を受けるプログラムの検出

  4. 復元設定が完了しました。完了をクリックすると再起動されますので作業中だった場合はすぐに作業状況を保存してください。大丈夫なら「完了」をクリックして復元ポイントを適用しましょう。

    復元設定の完了

バックアップ方法(アプリケーションソフト)

細かい部分で操作が多少異なりますが、一般的なソフトの設定情報ファイルなどは「エクスポート」または「バックアップ」でバックアップできます。適用はバックアップデータを「インポート」することで適用できます。

各アプリケーションソフトの詳しいバックアップ方法は今後、このサイトで解説したいと思います。今は他のサイト様に解説を任せます。

Windows メール

富士通Q&A - [Windows メール] アドレス帳をバックアップする方法と復元する方法を教えてください。

Microsoft Office Outlook 2010

アウトルック 2010 で送受信したメールやアドレス帳のデータをバックアップするには - マイクロソフト

Microsoft Office Outlook 2007

Outlook 2007 のデータをバックアップ、復元、または移動する方法 - マイクロソフト

Outlook 2007 で受信トレイ、連絡先、予定表、仕事、メモ、履歴などのデータをバックアップする方法 - マイクロソフト

iTunes関連

iTunes ライブラリを外付けハードドライブにコピーしてバックアップする - Apple

iTunes でメディアをバックアップする - Apple

この記事のまとめ

この講座では、大切なデータを守るために必要不可欠なバックアップという概念とやり方について解説しました。ここでは全ユーザーに共通な復元ポイントの解説しかしませんでしたが、このサイトでも今後アプリケーションソフトについてそのバックアップ方法を解説したいと思います。

  • バックアップの重要性を理解する。
  • 復元ポイントを作成・適用できるようにする。

バックアップを怠ると万が一のとき取り返しの付かないことになる可能性が高くなります。面倒くさがらずに定期的に大事なデータはバックアップを取るようにしましょう。

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