この記事はWindows 8/8.1当時の画面と手順を記録したものです。Windows 8.1のサポートは2023年1月10日に終了しました。現在のWindowsでは画面、設定場所、利用できる機能が異なるため、利用中のWindowsに合った公式情報も確認してください。
「Windows8にしてから起動がずいぶん早くなった!」という評判はよく聞きます。 実際、Windows8のひとつのセールスポイントですからほとんどの人で効果があるようにはなっているはずです。 Windows自体が軽くなったり、パソコン自体の高性能化も高速化に含まれていますが、Windows8には新たに起動速度を高速にするシステム「高速スタートアップ」を実装しました。(電源ボタンを入れてからWindowsを操作できるまでが早い) 「高速スタートアップ(ハイブリッド・ブート)」は標準で有効になっていますので、この機能についてご存知でない方も多いと思いますが、結構効果があるのでこの記事にてできるだけ理解しやすいよう解説していきます。 ※ちょっと専門的な内容になっていますので注意。(ただ、専門サイトよりは一応簡単に書いているつもりです。)
高速スタートアップが有効にされているか確認
まず、高速スタートアップが有効になっているかどうかを確認してみましょう。 高速スタートアップですが、この機能が使えるシステム(パソコンの環境)であれば自動でONになります。 (利用できないシステムの場合はOFFのままで高速スタートアップは利用できません。) 有効になっている状態で、今までのOSと同じように「シャットダウン」を選択すると高速スタートアップが有効になったシャットダウンが実行されます。完全なシャットダウン処理にはならないので混乱しないよう注意してください。
コントロールパネルから確認
コントロールパネルから、「システムとセキュリティ」グループの中にある[電源オプション]を選択します。 (アイコン表示にしている場合はすぐに[電源オプション]を選択してください。)

電源オプションの左上にある「スリープ解除時のパスワード保護」または「電源ボタンの動作を選択する」のリンクをクリックします。(どちらを選択しても同じ場所へ飛ばされます。)

[システム設定]画面が出たら下の[シャットダウン設定]の「高速スタートアップを有効にする(推奨)」にチェックが入っていれば高速スタートアップが有効になっています。もし、有効になっていなければ画像赤枠の「現在利用可能でない設定を変更します」をクリックしてください。これでチェックを入れられるようになります。 無効化の手順も同じで、チェックを外して「変更の保存」をクリックすればOKです。

▲クリックで拡大
ちなみに、「高速スタートアップ」が有効にできないシステムでは、下の画像のようにそもそもチェックができないよう高速スタートアップの項目自体がありません。(ハイバネーションを無効にしている場合も無効になります。)

コマンド プロンプトで確認 (中級者向け)
コマンド プロンプトでも確認できます。使用するコマンドは「powercfg」でオプション「-a」を使います。 このコマンドを実行して「以下のスリープ状態がこのシステムで利用可能です」の中に「高速スタートアップ」の項目があれば有効になっています。(高速スタートアップの性質上、休止状態も一緒に使える状態になっています。)
Microsoft Windows [Version 6.2.9200]
(c) 2012 Microsoft Corporation. All rights reserved.
C:WINDOWSsystem32>powercfg -a
以下のスリープ状態がこのシステムで利用可能です:
スタンバイ (S3)
休止状態
ハイブリッド スリープ
高速スタートアップ
以下のスリープ状態はこのシステムでは利用できません:
スタンバイ (S1)
システム ファームウェアはこのスタンバイ状態をサポートしていません。
(以下略)
「高速スタートアップ」が使えない環境の場合、以下の様な表示になります。 「高速スタートアップ」という項目が表示されません。ハイバネーションを意図的に無効化している場合も表示されません。
Microsoft Windows [Version 6.2.9200]
(c) 2012 Microsoft Corporation. All rights reserved.
C:WINDOWSsystem32>powercfg -a
以下のスリープ状態がこのシステムで利用可能です:
スタンバイ (S1)
以下のスリープ状態はこのシステムでは利用できません:
スタンバイ (S2)
システム ファームウェアはこのスタンバイ状態をサポートしていません。
(以下略)
高速スタートアップの仕組み
高速スタートアップ(ハイブリッド・ブート)とは、Windows8から実装された新機能の1つです。 Windows OSの起動を高速化する技術です。今までの高速化は、主にWindows起動後に実行されるプログラムの起動を最適化するものでした。有名なところではキャッシュやプリフェッチ、スーパーフェッチなどです。もちろん、これらはWindows8でも実装され、快適さは健在です。 そこにさらに、OSの起動自体をも早くする機能が実装されました。それが「高速スタートアップ」です。

従来の起動プロセス
従来の起動方法は「フル ブート」「コールド ブード」と呼ばれ、起動プロセスをすべて経由する起動方法でした。 そのため、起動までに随分時間がかかっていました。大まかな起動プロセスは以下の様な感じです。
電源ボタンを押すとPOST(Power-On Self Test)という動作にまず入ります。ファームウェアの設定を読み込み、正常にBIOSやメモリ、デバイスなどが動かせるか初期化・テストします。すべてが正常に作動することが確認されれば、ブート可能なデバイスを探しOSの初期ロードを開始します。(マスター ブート レコード【MBR】の読み込み)
OSの初期ロードが開始され、Windows カーネル(中核部分)の起動に必要な必須ドライバーのロードと初期化が実行されます。必須ドライバーの読み込みが完了すると、今度は追加のドライバーやデバイスをスキャンして同じくロードと初期化を実行します。
サービスの起動などが実行され、Winlogon.exeの起動によりログイン画面が表示されます。ユーザーがログインすると、Windowsはそのユーザーのセッションを作成します。そして、おなじみExplorer.exe が起動しデスクトップを初期化・表示します。
このプロセスで一番時間がかかるのが上記2番の手順、システムに接続されているデバイスの調査とロード、起動です。基礎的なデバイスの調査はもちろん、追加された新しいデバイスやサービスを含めるとかなりの数になるので、初期化に要する時間もどんどん長くなってしまいます。(長く使ってきたパソコンがどんどん重くなっていく原因のひとつがこれです。)
高速スタートアップはカーネルやデバイスのみ「休止」させる
これに対しマイクロソフトが出した答えは「デバイスを初期化しなければよい」ということでした。 つまり、最後にシャットダウンさせたときのメモリやCPUの状態を記憶装置(起動ドライブであるHDDやSSD)へ記録することで、次回の起動時にこれらデータを読み込みロードを短くしようとした。その技術が高速スタートアップなのです。 高速スタートアップを有効にした状態で「シャットダウン」をすると、ユーザー セッション(ユーザー シェル)までを終了させますが、Windowsの中核部分であるカーネルやデバイス、ドライバー、サービスなどは「休止状態」にとどめます。 「休止状態」とは、メモリやCPUの状態を記憶装置に書き出した状態で電源を落とすことです。こうすることで、次回起動時に初期化する必要がなくなり、記憶装置からのロードだけでデバイスやドライバーの状態が復元されます。これにより起動を高速にすることが可能になりました。

▲クリックで拡大 (出典:
– Microsoft)
つまり、簡単に言うと通常の起動プロセスで一番時間がかかっていた「ドライバーなどのロードと初期化・起動」を大幅に省いた起動方法を高速スタートアップというのです。
デバイスが休止状態で問題はないのか
そのことについてはMicrosoftも一言書いています。
もう一つ Windows 8 の高速スタートアップ モードについて重要な点は、全ドライバーに対する完全な “プラグ アンド プレイ” 列挙を行うわけではないものの、ドライバーの初期化自体はこのモードでも行われるということです。ドライバーやデバイスを “リフレッシュ” するためにコールド ブートを愛用されていた方は、新しいモードでも (同一のプロセスではないものの) 同じ効果が得られるので、ご安心いただけると思います。 Windows 8 でお届けする高速な起動 – Building Windows 8 – Site Home – MSDN Blogs より引用
プラグ アンド プレイ (Plug and Play, PnP) とは、追加されたデバイス(周辺機器)や拡張カードの設定をOSが自動化するシステムです。USBで接続するタイプのものも、もちろん該当します。 Windows起動中に追加されたデバイスはPnPによって自動的にインストールと設定が行われます。(手動の場合もある) これら追加されたデバイスの一部は、シャットダウン時に初期化がされないと次回正しく起動できないものがあります。これらデバイスも高速スタートアップで正しく起動できるのか、というのがやはり不安としてあります。 その答えが先ほど引用した文章です。どうやら高速スタートアップでもドライバーの初期化自体はされるようです。なので、ドライバーのリフレッシュ目的で高速スタートアップを利用しても問題ないとのこと。通常利用ならば高速スタートアップが有効になっていても大丈夫みたいです。
高速スタートアップの問題点
基本的にはともて便利な機能ですが、新機能とあって問題点がいくつかあります。
BIOSが起動できない
高速スタートアップでは、カーネルやデバイス情報が休止されているからかBIOSが起動できません。その分起動は早くなるのですが、ハードウェア構成などを変更したい場合はBIOSが起動できなとお話にならないので注意。
デュアルブート環境で別のOSが起動できない
デュアルブート環境で、それぞれをうまく休止できないのか別のOSの起動がうまくいかない場合があるようです。デュアルブート環境をお持ちの方は高速スタートアップを切ったほうがいいかもしれません。
パソコンのハードウェア構成を変える場合に不具合
高速スタートアップ有効でシャットダウンした後にハードウェア構成を変えると、ドライブの情報をうまく初期化できないのか不具合がでてしまうことがあるようです。ハードウェア構成を変更する場合は高速スタートアップを無効にしてからシャットダウンすると良いでしょう。
古いデバイスとは相性が悪い
USBだとか、特にLAN関係で不具合が発生しやすい模様。ドライバーがうまくインストールできないことも。 古いものを使用している場合はご注意ください。
高速スタートアップを無効にしてシャットダウンする方法
以上の問題点から、たまには完全なシャットダウン(カーネルやドライバーも完全にシャットダウン処理を完了する)を必要とする場合があります。個人的にはBIOSが起動できないとかなり困りますからね。
1.高速スタートアップ自体を無効化
これはこの記事の最初に書いた「高速スタートアップが有効にされているか確認」の [コントロールパネルから確認] をご確認ください。高速スタートアップのチェックを外すことで高速スタートアップ自体を無効化できます。 そもそもこの機能が要らない場合は最初から切りっぱなしがいいかもしれません。
2.「再起動」する
この高速スタートアップ、「再起動」を選択すると有効にならない模様。なので、今まで通り「シャットダウンでドライバー情報をクリーンにしたい!」という方は「再起動」を選択するとよいでしょう。

3.PC設定から詳細ブート オプション メニューを使用
チャームバーから[PCの設定の変更]→[全般]→[PCの起動をカスタマイズする]にある「今すぐ再起動する」を選択すると、「詳細ブート オプション メニュー」を使用することができるようになります。

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これを選択すると、「詳細ブート オプション メニュー」が表示されるので、項目の「PCの電源を切る」を選択すると完全シャットダウンを実行します。ちなみに、このメニューでOS自体を初期化したりデュアルブートさせるOSの選択も可能です。

4.「shutdown.exe」にオプションを付けて起動させる
ショートカットとして「完全シャットダウンができるアイコン」を作成して使うという方法です。 ショートカットとして「shutdown /s」と指定すると「shutdown.exe」に対して直接「-s」オプションを追加した動作を実行させられます。「-s」オプションはWindows8だと「完全シャットダウン」を指示するものですので、これを作っておけばいつでも完全シャットダウンを実行できるようになります(管理者権限が必要)。詳細な作り方は下記記事を参考にどうぞ。 ※「/fll」オプションは評価版のみのものなので注意。製品版では「-s」に統合されました。 ※高速スタートアップを有効にしたい場合は「shutdown /s /hybrid」と指定します。

まとめ
以上、Windows8から実装された「高速スタートアップ」の解説でした。 アプリケーションの高速化はいままで散々やってきましたが、今度はOSの起動も早くしようとチャレンジした結果がこの高速スタートアップです。今まで一番時間がかかっていた起動プロセルを大幅に省いたため、パソコンの構成によってはものの数秒でログイン画面を表示できるまで高速化できるようです。 ただ、新しい機能なのでまだまだ不具合が残っているのと、BIOSやセーフモードが起動できないという致命的な弱点もありますので、通常の完全シャットダウンをする方法も一緒に書きました。 この記事も皆さんのお役に立てたら幸いです。
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