第21回 OSの再インストール、「リカバリ」であらゆる不具合を解消!

パソコンを長く使っていると以下の様な症状が現れることがあります。

  • パソコンの調子がどうもおかしい、挙動が変だ。
  • コンピューターウイルスに感染して大変なことになっている。完全な駆除ができない。
  • パフォーマンスが極端に落ちてしまった。

このような場合に陥ってしまった場合は、Windowsを出荷時の状態に戻す「リカバリ」という作業を行うことで状況が改善することがあります。今回の講座ではこのリカバリについてその意義や方法、注意点といった点を解説していきます。


リカバリ

リカバリ【リカバリー:recovery】とは、Windows(OS)やドライバなどの各種ソフトウェアを出荷時の状態に戻すことをいいます。

リカバリを行うとHDD内(又はSSD内)のデータが完全に消去され、その上にWindowsを新しくインストールし直します。OSのクリーンインストールとも呼ばれます。これにより以下の様な症状がほぼ完璧に改善されます。(※機器自体の破損による不具合は改善できません)

  • Windowsやドライバなどの更新によって起きた不具合。
  • Windowsの起動障害。
  • コンピューターウイルスなどの感染。
  • パフォーマンスの低下。
  • etc

つまり、リカバリを行うとあらゆる不具合や障害を解決できることになります。すべてを出荷時の正常な状態に戻すのですから当たり前ですね。もう自分の手ではどうにもできないと感じたら最後の手段としてこのリカバリを行うといいでしょう。

      

(※「OSの再インストール」と「リカバリ」は、厳密に言うと意味が違うのですが詳しくは割愛。前者は「OSのみのインストール」で最低限のプログラムしか入りません、後者は「出荷時の状態に戻す」ことを指します。)

リカバリの注意点

リカバリは様々な不具合を解消することができますが、それ故リスクも大きいです。以下の様な注意点があります。

起動ドライブ(Cドライブ)内のすべてのデータが消去されます。バックアップは必須作業。

Windowsの再インストールを行うのですから起動ドライブ内のデータはすべて消去されます。ユーザーが望めばHDD内(全ドライブ)のすべてのデータを消去することもできます。

これにより出荷時以降にインストールしたソフトウェアや更新データ、ドキュメントや動画、ピクチャなどのデータも消去されることになります。リカバリを実行すると決意した時は必ず必要なデータのバックアップをとってください。

メールソフトなどはメール内容やアドレスなどを、動画や写真・音楽などは起動ドライブ以外(外付けHDDやフラッシュメモリ、DVDやCDなどがお勧め)へ退避してください。インターネットブラウザなどのお気に入りも消えてしまうのでお忘れ無く。(IEの場合は「お気に入り」フォルダ内に保存しています)

特殊なソフトを使えばインストールしたソフトウェアやドライバなどもバックアップを取ることができますが、これらが原因で不具合がでることもあるので、後々のインストール作業が面倒ではあると思いますが初期状態に戻した方がいいかと思われます。判断はユーザーの方でお願いします。

それと、セキュリティ対策ソフトも消去されてしまうのでOSのインストールが終了したら真っ先にこれをインストールしてください。インストール手順は事前にソフトを開発した会社の公式サイトへ行って確認してください。プリインストール(予めインストールされている、初期状態ですでにインストールされている)された古いセキュリティ対策ソフトがある場合はアンインストールを行うよう指示がある場合もあるからです。失敗するとここで早速不具合を起こすことになるので注意してください。

非常に時間がかかります。

恐らく一般的な使い方をしているユーザーにとってはパソコン操作において最も長い作業となるはずです。パソコンの性能やOSの種類にもよりますが、出荷時の状態に戻すだけでも2時間~6時間、ここからリカバリをする直前の状態にもっていくまで数時間から長いと数日かかります。(※ユーザーのパソコン環境や意向によって作業時間は大きくずれます。あくまで目安です。)

私の場合ですが、ノートパソコンをリカバリすると元の状態に戻すまで二日かかりました。大変な作業です。

なぜこんなに時間がかかるかというと、

  1. ドライブの消去と、OS自体の容量が大きいためインストールに時間がかかる。
  2. Windows Updateなどの重要な更新プログラムを適用するのに膨大な時間がかかる。
  3. インストールしたソフトをまた入れ直さなくてはいけない。
  4. バックアップデータから復元する作業。

以上のような作業を行う必要があるからです。

とくにWindows Updatは時間がかかります。何度も再起動する必要がありますし、一回で全部適用することができないからです。サービスパックの適用もあると考えると億劫になります。でもやってください重要な更新プログラムなので。

3の項目はユーザーによります。あまりソフトをインストールしてなければ大して時間もかからないでしょう。しかし、私のように数十もソフトをインストールしている方はここでも時間がかかります。リカバリ前に必要なソフトはセットアップファイルをダウンロードしてきた方がいいかもしれません。

また、メーカー独自のソフトの更新を求められる場合があるので注意してください。

リカバリの手順

リカバリの手順ですが、パソコンを製造したメーカーによってやり方が異なります。メーター独自のリカバリ専用ソフトが用意されていることもあるので必ず説明書をみて確認してください。リカバリについて記述したページが絶対にあるはずです。

VAIOリカバリセンター
▲SONYのパソコン、VAIOに標準でインストールされているリカバリを補助するソフト「VAIOリカバリセンター」

ここでは、それらメーカーによって左右されない全ユーザー共通の操作を解説していきます。

手順1 「バックアップをとる」

Cドライブ内のデータがすべて消去されてしまうので、大事なデータは必ずバックアップを取りましょう。

メールソフトや各種ソフトの設定ファイル、動画・写真・音楽、インターネットブラウザのお気に入りなども忘れずに。IEの場合は「お気に入り」フォルダ内に保存されています。他のブラウザもお気に入りをエクスポートする場所があるので各自調べておいてください。

パソコンを作ったメーカーによっては標準でバックアップソフトがインストールされている場合があるのでそれらを利用するのもよいでしょう。

【重要】セキュリティ対策ソフトの用意はここで

また、手順3でインストールするセキュリティ対策ソフトですが、ネットのダウンロード版で購入した場合はメディアCDが無いためどうしても製作会社のサイトに行かなければなりません。しかし、セキュリティ対策がほとんどなされていない初期の状態ではサイトに行くとマルウェアに感染する恐れがあります。これを防ぐため、ネットで契約したセキュリティ対策ソフトは事前にセットアップファイルをダウンロードしてリカバリの影響を受けない場所に保存しておきましょう。

各メーカー製品の体験版が用意されているのでそれをダウンロードしてください。もし、最初に購入したときにダウンロードしたファイルが残っているならばそれでも大丈夫です。通知されているプロダクトキーも用意してください。

店頭で購入したパッケージ版でも、期限内であれば体験版にプロダクトキーを入力することで製品版として利用できます。インストールCDに入っているソフトが古い場合は最新の体験版をダウンロードして手順3で認証させましょう。

手順2 「説明書通りリカバリを行う」

メーカー品のパソコンの場合はリカバリ方法がパソコンごとに異なります。説明書をよく読み、必ず記された手順でリカバリを行なってください。そうしないとリカバリが正しく完了しないことがあります。

時間がかかるので気長に待ちます。

手順3 「リカバリ完了後はまずセキュリティ対策ソフトのインストール」

リカバリが完了するとパソコンは出荷時の状態に戻ります。インターネットとの接続設定を行い、通信できる状態にします。

と、ここで注意することがあります。ネットとの接続の際はできるだけブラウザを開かずどこのサイトにも行かないでください。初期状態のパソコンはセキュリティ対策がほとんどなされていないので、サイトを訪れるとすぐマルウェアに感染します。あくまで接続することだけ意識してください。

ネットと接続できたらすぐさまセキュリティ対策ソフトをインストールしてください。プリインストールされているものがある場合、期限内であれば問題ないですが、期限切れでしかも古いものだったときはすぐにアンインストールし新しいセキュリティ対策ソフトをインストールしましょう。

家電量販店などで購入した場合はインストールCDがあると思いますのでそれを使います。ダウンロード版を購入した方は、手順1で保存したセットアップファイルを実行しインストール作業を行なってください。

プロダクトキーの用意を忘れずに。パッケージ版はパッケージに、ダウンロード版はメーカーから通知されたキーを使います。もし無くした場合はセキュリティソフト会社に問い合わせてください。

ネットと接続されていればここで対策ソフトがが認証され製品版として利用することができます。パターンファイルの適用(自動でやってくれます)が済んだら次の手順へ進んでください。

※特に理由が無ければ、認証されてもインターネットブラウザは開かないでください。まだセキュリティ対策は完了していませんので。

手順4 「Windows Update」

サイトを閲覧したいと感じているかと思いますがここは抑えて、今度はWindows Updateを行いましょう。

Windows Updateは今まで公開されているすべての更新プログラムが適用されるまで繰り返してください。一回ではすべて適用できないことがほとんどですので何度も再起動が面倒かと思いますが、必ずすべて適用させましょう。

「更新プログラムの確認」を行なっても以下の表示がでるようになったらWindows Updateは完了です。

Windows Update vista

【重要】サービスパック(SP)の適用も忘れずに

OSが初期状態に戻っているのでサービスパック(SP)も戻っている場合があります。コントロールパネルの「システム」で現在のSPを確認してみましょう。2010年12月現在、VistaはSP2まで、7は未公開となっています。

もしSPが適用されていない場合、Windows Updateを繰り返していくとそのうちSPの適用ができる更新プログラムが現れるので忘れずに適用しましょう。因みにSP2の適用には先にSP1の適用が必要です。

SPはマイクロソフトの公式サイトでも公開されていますが、セキュリティ対策が十分でないままサイトをうろつくのは危険なので、できるだけWindows Updateから行いましょう。一応Vista SP2のダウンロードリンクを貼っておきます。x64とは64bitOS専用という意味です。

マイクロソフト サポート オンライン
http://support.microsoft.com/gp/sp/ja

Windows Server 2008 Service Pack 2 および Windows Vista Service Pack 2 (全言語用スタンドアロン版) (KB948465)
http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?displaylang=ja&FamilyID=891ab806-2431-4d00-afa3-99ff6f22448d

x64 ベース システム用の Windows Server 2008 Service Pack 2 および Windows Vista Service Pack 2 (全言語用スタンドアロン版) (KB948465)
http://www.microsoft.com/downloads/details.aspx?FamilyID=8ad69826-03d4-488c-8f26-074800c55bc3&displayLang=ja

手順5 「バックアップデータから復元&各種ソフトウェアのインストール」

Windows Updateで公開中のすべての更新プログラムが適用されたらWindowsは最新の状態になったことを意味します。ここまできたらインターネットを開いてサイトを閲覧しても大丈夫でしょう。必要なソフトウェアなどをダウンロードしてきてインストールしても構いません。

バックアップしたファイルもここで戻しておきましょう。今度は設定ファイルをインポートすることでリカバリ前の状態に戻すことができます。専用のソフトでバックアップした場合はそのソフトを起動してバックアップファイルからリカバリ前の状態に戻してあげましょう。

手順6 「リカバリ完了」

お疲れ様でした。あとはご自由に弄って貰って構いません。異常が無ければリカバリは成功です。


この記事のまとめ

リカバリはパソコンに異常が起きた場合の最後の手段です。あらゆる論理障害を修復してくれますが、その反面とても面倒でかつ時間のかかる作業なので時間のあるときに実行しましょう。

  • リカバリは工場出荷時に戻す作業、あらゆる不具合を修復する最後の手段だがリスクも大きい。
  • 実行するときはバックアップをしっかり取って時間のあるときに。

長くパソコンと付き合っていればいつかは経験する作業かと思われます。この際に雰囲気だけでもいいので不具合が起きたときのひとつの対処法として覚えてしまいましょう。

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