第17回 Windowsのメンテナンス ~キャッシュや履歴データの消去~


今回と次の講座では、長く使っていてパフォーマンスが落ちてしまったパソコンを復活させるためのメンテナンス方法を紹介します。

また、今回紹介するメンテナンス方法は個人情報流出の危険性を減らす目的もあります。内容はサイトを閲覧したときに生成される様々なデータの削除方法です。

インターネットブラウザで様々なサイトを閲覧していると、パソコン内のHDDには閲覧履歴などのデータが溜まっていきます。

長年サイトを閲覧し続けていると、パソコン内にはこうしたデータがどんどん蓄積されてHDDの容量をを圧迫します。量が多すぎると、インターネットと接続するときにエラーが発生したりブラウザが起動しなくなったりと不安定にもなってしまいます。

また、これらデータの中にはサイトを訪問した履歴やに入力したパスワードなどの個人情報も入っています。

このようなデータは定期的に削除することで、パソコンやブラウザが安定し高速化します。さらにはセキュリティ向上にも繋がります。ではIEを例に、その削除方法をみていきましょう。

ブラウザのキャッシュデータ・Cookie・履歴

まず、サイトを閲覧するとどのようなデータがHDD内に保存されるのか用語も含めて解説します。

キャッシュ

キャッシュ【英:cache】とは、使用頻度の高いデータを一時的に保存し、次に同じデータが読み込まれたとき、この一時的に保存されたデータを参照して処理を高速化することいいます。高速化のために使われる一時的に保存されたデータをキャッシュデータといいます。

キャッシュは、メモリやCPUなどにも実装されその処理能力を高めています。
インターネットブラウザキャッシュは、一度アクセスしたWebサイトの情報などを保存し、次回同じサイトが開かれたとき、表示速度を高速にするため使用されます。リンクをクリックすると「訪問済み」となって色が変わりますが、この情報もキャッシュデータとして保存されます。インターネット一時ファイルとも言います。

クッキー(Cookie)

Webサイトへ訪問した日時や回数、ボックスに入力された文字などの情報を自分のHDDに保存する機能のこと、あるいはその機能を使って保存されたデータのことをクッキー【Cookie】といいます。

Cookieは、サイトを運営しているサーバーが訪問した閲覧者のブラウザに向けて植え付けるメモのようなデータです。

ショッピングサイトなどを何度も利用している人は、入力ボックスの中身がすでに入力済みになっていたという経験があるかと思います。これはサイト側があなたのブラウザに向かってパスワードなどの情報をCookieとして一時的に保存させ、入力の手間を省かせているのです。ログイン情報なども格納されます。

いちいち手入力する手間が省けるというメリットがありますが、HDD内に個人情報が保存されている状態でもあるので、定期的に削除したり、Cookieを受け付けない設定にしたりして情報が外部へ漏れないよう対策をしてください。

履歴

いつ、どこのサイトを訪れたのか、どんな内容を検索したのかを保存する機能です。数時間前に見たサイトにもう一度行きたいときなどによく利用すると思います。

この機能も便利なのですが、自分の閲覧したサイトを他人に見られてしまう危険もあります。また、履歴のデータがありすぎると、ブラウザやパソコンのパフォーマンスが落ちてしまうなどの症状がでてくるので、これも仕事などに差し支えなければ定期的に削除することをお勧めします。

キャッシュデータ・Cookie・履歴を削除する

インターネットブラウザによって削除する場所が異なりますが、今回は利用者が多いInternet Explorerを例にとって解説します。IEのバージョンは「8」です。

  1. IE8を開き、ブラウザ上部のツールバーにある「ツール」から「インターネットオプション」を選択します。

    インターネットオプション

  2. 「全般」タブの「閲覧の履歴」にある「削除」をクリックしてください。

  3. 「閲覧の履歴の削除」ウィンドが開きます。「削除」をクリックすると、チェックを入れた内容が削除されます。

    閲覧の履歴の削除

フォームデータ

検索ボックスなどに入力した単語や文章データです。このデータがあると、以前入力したワードが予測ワードとして表示されます。

InPrivate フィルターデータ

後述するInPrivateフィルタと呼ばれる機能のデータです。InPrivateフィルターの設定で、ブロック設定をしているとここにそのデータが保存されます。なのでブロック設定を削除したくない場合はチェックを外しましょう。

ショートカットキーで開く(IE以外でも可能)

この閲覧履歴の削除ですが、ショートカットキーが設定されていて[Ctrl]+[Shift]+[Delete]キーを同時に押すことで履歴削除のウインドがでます。このショートカットキーはほとんどのブラウザで利用可能なのでIE以外をお使いの人も試してみましょう。


IEを閉じたとき、閲覧履歴データを削除する

手動での削除が面倒な場合は、IEを閉じたときに自動で削除する設定にしてみましょう。ただし、履歴データを継続して使いたい場合はチェックしないように。

自動削除

▲「終了時に閲覧の履歴を削除」にチェックを入れると、IEが閉じたとき自動で閲覧履歴を削除します。

そもそも保存させない閲覧方法 -InPrivate ブラウズ-

以上のやり方で履歴などは削除できますが、「特に利用しないのにいちいち削除するのは面倒だ」という人は、保存させない閲覧方法があります。IE8で実装された「InPrivate ブラウズ」を使います。

InPrivateブラウズでは、Internet Explorerに痕跡を残さずにWebサイトを閲覧することができます。詳しくは以下マイクロソフトの記事で。

InPrivate ブラウズとは? (マイクロソフト)

InPrivateブラウズでは、一時データなどのデータが以下のように扱われます。(上のリンク先より引用)


マイクロソフトのInPrivateブラウズの記事から引用

この機能を使えば、インターネット一時ファイルはIEを閉じたとき自動で削除され、履歴や入力したパスワードは保存されなくなります。パソコンに一切情報を残したくない場合は、InPrivateブラウズ機能でサイトを閲覧するといいでしょう。

  1. InPrivateブラウズにする方法を2通りあります。IEを開た後、[Ctrl]+[Shift]+[P]キーを押すか、ツールバーにある「セーフティ」から「InPrivateブラウズ」でInPrivateブラウズ・モードを利用することができます。

    InPrivateブラウズ

  2. IE8の新しいウィンドが表示されます。アドレスバー横に「InPrivate」と書かれたインジケーターが表示されればInPrivateブラウズが有効となっています。

    InPrivateブラウズ・モード

この新しく開かれたIE8でサイトを閲覧すれば、履歴などの情報がHDDに保存されることはありません。ただし、通常モードで開いた以前のIE8はそのままなのでこちらはすぐに閉じましょう。

ツールバーの「セーフティ」から「InPrivate フィルター」を有効にするとWebサイトから共有される広告、地図、またはWeb解析ツールなどのコンテンツが情報を収集するのを防ぎます。広告などがそれで、ユーザーに適した広告を表示させるためにユーザーの情報を広告が収集していきます。

InPrivate フィルターを有効にすれば、これらの情報が収集されなくなりますが、サイトの一部機能が使えなくなる可能性があることを念頭にいれて有効にしてください。

InPrivate フィルター

他のブラウザでも同じような機能を利用できる

これら閲覧履歴に関する機能は、他のブラウザでも利用可能です。
Firefoxでは「ツール」から「プライベートブラウジング」、Google Chromeでは「シークレットモード」が実装され、IE8のInPrivateブラウズと同じ効果を発揮します。

今回はIEを中心に説明しましたが、別のブラウザを利用している人は「(ブラウザ名) 履歴を保存しない」などで検索すれば多くの記事がヒットします。どうしても閲覧情報を保存したくない場合は、これら機能を利用してみては如何でしょうか。

この記事のまとめ

この記事ではIEを中心に、閲覧履歴がどのような情報を保存しているのか、それらの情報をどのように削除するのかを解説しました。

普段気に止めないようなものかもしれませんが、閲覧履歴が多すぎるとブラウザやHDD容量を圧迫しパソコンのパフォーマンスが落ちてしまいます。また、個人情報でもあるので長らくほったらかしにしていると、知らぬ間に情報が外部へ漏れてしまう可能性もあります。

  • サイトを閲覧するとどのような情報が保存されるのか理解する。
  • それらの削除方法を知る。

パソコンが重くなったと感じたり、どうもブラウザが不安定だと感じた場合はこれらのデータを削除してみると事態が改善する場合が多いです。定期的に削除してパソコン内をすっきりさせておくことをお勧めします。