第9回 自分のパソコンの性能を知ろう!


自分のパソコンが一体どれだけの性能を持つのか、いつも使ってはいるけど分からない方も多いと思います。

しかし、これらを知っておかないと折角ソフトウェアを導入しても動作環境を満たしておらずうまく動作しない場合も出てきます。
また新しくパソコンを購入する際にも性能を比較することで自分に合ったよいパソコンを選び抜くことができます。

そこで今回は、パソコンの性能を左右する各要素について解説していきたいと思います。

パソコンの頭脳 『CPU』

CPU【Central Processing Unit:セントラル プロセッシング ユニット】、日本語で「中央処理装置」や「中央演算処理装置」などと訳されるこの装置は、人間で言う頭脳の役割を果たします。

「演算装置」という名前の通り、パソコン内で行われている様々な計算を一手に引き受けています。文章を打ったりメールを作ったりする時も、このCPUで計算を行い処理しています。もちろん、Windows自体を動作させる為にも使いますから常時動いている装置です。

このCPUの性能が高いとパソコンは複雑な処理も簡単に素早く処理してくれます。つまり、パソコン全体の動作が速くなります。

画像や動画を編集したり、3DゲームをプレイするときなどCPUに高負荷をかけるような作業はCPUの性能が高くないと動作が遅くなるだけでなく、最悪CPUが処理をしきれなくなりフリーズしてしまうこともあります。

このようにCPUに高負荷をかけるようなソフトを使用している方は、このCPUの性能で動作の快適さが大きく左右されます。

現在CPUを生産している企業は「Intel(インテル)」と「AMD」があります。

システム

▲CPUの性能を調べたいときは「コントロールパネル」の「システム」で確認できます。
ここの「プロセッサ」という項目が現在使用しているパソコンに搭載されているCPUです。

CPUの性能評価

クロック周波数

CPUの性能を決定する大きな要素として「クロック周波数(動作周波数)」というものがあります。
プロセッサの項目の一番後ろに「2.40GHz」という感じに数字と単位が表記されています(これは私のパソコンの数字です)。

「○○Hz」の「Hz」は周波数の単位で「ヘルツ」と読みます。高校の物理とかで習うと思います。物理では1秒間に波が振動した回数となっていますが、なぜCPUにこの周波数が用いられるのかを解説すると初心者講座をはみ出す内容となってしまいますのでここでは省略します。

数字とHzの間にある「G」や「M」はSI接頭語と呼ばれる指数表記を一文字で表したものです。身近なものでは「㎞:キロメートル」の「k」や「㎜:ミリメートル」の「m」がそうです。

10のn乗 接頭語 記号 数字
10の24乗 ヨタ (yotta) Y 1000兆×10億(1じょ)
10の21乗 ゼタ (zetta) Z 1000兆×100万(10垓)
10の18乗 エクサ (exa) E 1000兆×1000(100京)
10の15乗 ペタ (peta) P 1000兆
10の12乗 テラ (tera) T 1兆
10の9乗 ギガ (giga) G 10億
10の6乗 メガ (mega) M 100万
10の3乗 キロ (kilo) k 1000
10の2乗 ヘクト (hecto) h 100
10の1乗 デカ (deca, deka) da 10
10の0乗 なし なし 1
10の−1乗 デシ (deci) d 1/10
10の−2乗 センチ (centi) c 1/100
10の−3乗 ミリ (milli) m 1/1000
10の−6乗 マイクロ (micro) u 1/100万
10の−9乗 ナノ (nano) n 1/10億
10の−12乗 ピコ (pico) p 1/1兆
10の−15乗 フェムト (femto) f 1/1000兆
10の−18乗 アト (atto) a 1/1000兆×1000(1/100京)
10の−21乗 ゼプト (zepto) z 1/1000兆×100万(1/10垓)
10の−24乗 ヨクト (yocto) y 1/1000兆×10億(1/1じょ)

ここまで理解出来ればクロック周波数で性能評価ができます。
クロック周波数の値が大きければ大きいほどほどそのCPUは高性能であると言えます。

コア数

しかし、クロック周波数が高くても高性能であるとは言えない場合もあります。
CPUの性能を左右する大きな要素が他にもあるからです。それは「コア数」と呼ばれるものです。

コアとはCPUの中にある処理を行う部分です。
コア数が多いCPUは、パソコンはコア数分だけ処理を分割することができます。ひとりで一気に作業するのではなく複数人で分担してやろうという感じです。
従って、コア数が多いほど高性能なCPUであることが言えます。

コア数が1つの場合は「シングルコア」、2つは「デュアルコア」、4つで「クアッドコア」、6つあれば「ヘキサコア」となります。

コア数がいくつであるかを判断するにはCPUの名前から判断する方法と、タスクマネージャーから判断する方法があります。

CPU名から判断する

例えば上の画像の通り、私のノートパソコンに搭載されているCPU名は「Inte® Core™2 Duo」となっています。これは名前の通りコア数は「2個」です。「Core i7 980X Extreme Edition」ともなるとコア数は「6個」にまで増えます。名前から検索にかければコア数を調べることは容易だと思います。

タスクマネージャーから判断する

タスクマネージャー・パフォーマンス

▲タスクマネージャーを「Ctrl」+「Shift」+「Esc」を同時に押して起動します。そこから「パフォーマンス」を選択するとパソコンのパフォーマンスを見ることができます。
ここの「CPU使用率の履歴」にあるモニターの数がコア数と同じになっています。この場合はモニターが2つあるので「2個」です。

CPUに関するまとめ

ここまで長く解説した理由は、少々CPUの性能評価をすることがややこしいものとなっているからです。

例えば、「クロック周波数が3GHzあるシングルコアCPU」と「クロック周波数が2GHzあるデュアルコアCPU」だと後者の方が性能が高い場合が多いです。

また、上記のクロック周波数やコア数の他に「消費電力」や「発熱量」などCPUの性能を左右する要素はかなり多いです。ここで全てを紹介すると長い記事になってしまいますので、また個人で検索にかけてみてください。

パソコンの作業台 『メモリ』

次はメモリについて解説します。

メモリ【Memory:メモリー】、日本語で「主記憶装置」や「一次記憶装置」などと呼ばれるこの装置は、CPUで処理した際にでてくる様々なデータを記録し、処理を円滑にするための装置です。CPUが作業する人間であれば、メモリは作業台と例えることができます。

同じくデータを記録するものとして「HDD」がありますが、メモリと違いデータを記録する方法として磁気を使用しているため、データの読み込みや書き込み速度がメモリより遅いです。(メモリは電気的にデータを記録、保持します。)

このため、HDDを処理データの一時記録場所として使用するとCPUの処理能力を十分に生かすことができません。そこでデータのやり取りが早いメモリというものが開発されました。

メモリの性能評価

メモリは部品なのでCPUほどややこしくありません。
ここで気にするポイントは2つ、「記録容量」と「チャンネル(チャネル)」です。

メモリ容量

メモリ容量の表記方法はファイルと同じく「○○B:バイト」となっています。「512MB」や「2GB」などCPUのクロック周波数と同じく桁数が大きいのでSI接頭語を用いて表記されています。

メモリ容量が多ければ多いほどほど性能の良いメモリと言えます。
メモリの容量がたくさんあれば、より多くのソフトウェアを同時に快適に動かすことができます。

しかしメモリ容量が少ないとソフトウェアがメモリの一部を確保しようとしても確保できず、代わりにHDDへデータを記録します。HDDはメモリほどデータの転送速度が速くないので処理能力が落ちます。この状態のことを「スワップ」といます。スワップを起こすとHDDがガリガリと音を立て、パソコン全体の処理能力が落ちます。

システム

▲メモリ容量はCPUと同じく「コントロールパネル」の「システム」に記入されています。Vistaは「メモリ(RAM)」、7は「実装メモリ(RAM)」の横に表記されています。

メモリは薄い板状の装置で、初心者でも簡単にパソコンから着脱可能となっています。メモリは大体のパソコンで2枚装着されていると思います。高いパソコンになるとメモリの枚数が増え、容量も多くなります。

チャンネル(チャネル)

メモリというのは本来1枚で動作させた方が安定しますが、1枚の容量の上限を上げるのは技術的にとても難しいのです。
そこでメモリを2枚1組、または3枚1組として動作させることに対応したメモリというものが開発されました。これにより、1枚の容量を多くせずとも大幅に処理能力を上げることに成功しました。

2枚1組で動作させることを「デュアルチャンネル」、3枚1組で動作させることを「トリプルチャンネル」といいます。組み合わせる枚数が多いほど性能が高いメモリとなります。かなり大雑把な判別方法ですが、「DDR2」と書かれていればデュアルチャンネル対応、「DD3」と書かれていればトリプルチャンネル対応メモリです。(商品説明に書いてあると思います)

ただし、チャンネルはメモリの性能というよりもCPUやマザーボードという部品の性能ですので、こちら側でこの技術に対応していなければデュアルチャンネル対応のメモリを使っていてもあまり意味はありません。

Vistaや7が入っているパソコンであればデュアルチャンネル非対応ということはまずありません。

因みに、最近は「チャンネル」ではなく「チャネル」という言い方に変わりつつあります。他のチャンネルという語句と混同しやすいのが理由らしいです。英語では「channel」であり、どちらの読み方でも間違いではありません。

パソコンの引き出し 『ハードディスクドライブ』

ハードディスクドライブ【Hard disk drive:HDD】は、メモリと同様にデータを記録する装置です。

ただし、メモリと違い保存できるデータ容量は圧倒的にHDDの方が上です。メモリは最大でも1枚4GBくらいが今の限界です(2010年7月現在)。しかし、HDDは1TB以上の容量を持つものも珍しくなくなりました。高解像度のTVやカメラなどが普及していったのがその理由かと思います。

パソコン上で扱われるほとんどのデータはここに記録されていくので、これもパソコンを成り立たせる上で大事な装置です。

そして恐らくパソコンの中で最も壊れやすい機器だと思います。
HDDはミクロン単位でデータの読み書きをしているので、振動を与えたり熱を加えたりするとあっという間に壊れます。最近はUSBで接続する外付けタイプのHDDも普及し利用している方も多いかと思いますが、見た目によらず精密機械なので扱いには気をつけないと大事なデータが吹っ飛ぶ可能性があるので注意して下さい。


HDDの性能評価

HDDで見ておくべき要素は「記録容量」と「回転数」です。

記録容量

パソコンにとっての引き出しなのですからこれは大事な要素です。

HDDの容量も「バイト」で評価しています。この数値が大きければ大きいほど容量の多いHDDとなり、より多くのデータを保存していくことができます。単純明快ですね。

HDD容量

▲HDDの容量を調べるには「スタートメニュー」の「コンピューター」から確認出来ます。画像赤枠部分右側の数字がHDDの全体容量です。左は空き容量です。

▲詳しい情報が知りたい場合は、調べたいHDDを右クリックしプロパティを選択して下さい。すると、上の様なウィンドが開きます。ここでHDDの使用状況が確認出来ます。

因みにローカルディスク(C:)の横にも記録領域がある場合はHDDがパーティション分けされていると思います。これはWindowsの機能のひとつで、ひとつのHDDの中に複数のHDDがあるように見せる機能です。
よって、HDDという機器全体の容量を調べたいときはこちらの容量も確認してローカルディスク(C:)と足せば全体の容量が計算できます。

回転数

HDDはデータを読み書きする際に、中にある「磁気ディスク」と呼ばれる円盤を高速で回転さています。
一般的に回転が速ければ速いほど、目当てのデータにアクセスするスピードも速くなり性能の良いHDDと言えます。

単位は「rpm」という単位を用います。rpmは、1分間に何回転したかを意味する単位です。この数値が高ければ高いほど回転は速くなります。「7200rpm」とか「5400rpm」と表記します。

回転数が高いと音がうるさかったり、熱を帯びやすくなったりしますが、最近のHDDは改善されてそこまで気にするものでは無くなりました。

パソコン上で回転数を確認する簡単な方法は、何かしらのソフトウェアを導入して確認するのがいいと思います。これらのソフトもここでいくつか紹介していこうかと思っています。

      

外部メディアを読み込む 『光学ドライブ』

光学ドライブとは、CDやDVDを読み込んだりまたは書き込んだりする装置です。
レーザー光線を用いて読み書きするので「光学」という名前が付いています。

光学ドライブの種類で読み書きできる記録メディア(CD,DVDなど)が異なります。
最近のパソコンはスーパーマルチドライブなどCDとDVDのほとんどのメディアに対応したドライブが搭載されています。

ただし、中古だったりちょっと安めのパソコンはこの光学ドライブをケチっている場合が多く、そのようなパソコンは単なるCD-ROMマルチドライブだったりしてCDは読み込めるがDVDは読み込めないという事態が起こります。

パソコンでDVDを見たり、データを焼きたいと考えている場合はこの光学ドライブを確認し、どの規格のメディアに対応しているか確認する必要があります。

光学ドライブ

▲「スタートメニュー」の「コンピューター」から光学ドライブを確認出来ます。

ドライブの例

CD-ROMドライブ CDの読み込みのみに対応しています。DVDは非対応です。
DVD-RW ドライブ ほとんどのCD/DVDの再生・記録に対応したドライブです。
BD-ROMドライブ CD/DVDの再生・記録に対応しBD-RやBD-REの読み込みのみ対応したドライブです。(BD=ブルーレイディスク)
BD-RWドライブ ほとんどのCD/DVD/BDの再生・記録に対応しています。

ROMは「Read Only Memory」の略で、読み込みオンリーという意味です。これが書いてあるドライブは一部のメディアで書き込みを行うことができません。

新しくパソコンを買うときの選び方

新しくパソコンを買うときは、以上のことに注意して購入すれば自分に合ったパソコンを購入することができるでしょう。

「自分に合った」というのは「自分の使用用途に合った」という意味です。インターネットや文章を作成するためだけにパソコンを使用する人は、高性能のパソコンを買ってもあまり意味はありませんし、逆に画像や動画を編集したり最新のゲームをする人は、お金をケチると思うように操作が出来ず後悔することになります。

以下に今回の記事をまとめましたので参考にしてみてください。もちろん、性能が高いほど値段もそれなりに高くなります。

CPU

CPUは「クロック周波数」と「CPU名」を注意して選んでみて下さい。
クロック周波数は数値が大きければ大きいほど、コア数は多ければ多いほど性能が高いです。CPU名からは色んな事が分かるので、こちらは事前に調べておくことをお勧めします。コア数をヒントに調べてみてください。

メモリ

メモリは「記録容量」と「チャンネル」を主に気にすればOKです。
記録容量は容量が多いほどたくさんのソフトウェア(OS含む)を同時に軽快に動作させることができます。チャンネルはメモリの名前に注意すれば判別できます。「DDR2」と書かれていればデュアルチャンネル対応、「DD3」と書かれていればトリプルチャンネル対応メモリです。

HDD

こちらは「記録容量」と「回転数」を気にしてみてください。
記録容量が多いほどたくさんのデータを記録することができます。容量の大きい動画や音楽をパソコン内に入れようと考えている方は出来るだけ容量の大きいものの購入をお勧めします。

回転数についてですが、気にするといっても大体販売されているパソコン内のHDDは、デスクトップパソコンで「7200rpm」、ノートパソコンで「5400rpm」が主流になっています。なので、どちらかというと外付けHDDで注意していただければいいです。回転が速いとデータの読み書きが速くなり、音が大きく熱を帯びやすいという考えを持って、これも自分にあったHDDを選んでみてください。

光学ドライブ

光学ドライブは、どの記録メディアに対応しているかを注意して選んでみてください。
安易に選んでしまうと読み込めなかったり書き込めなかったりしてしまいます。特に最近注目を浴びている「ブルーレイディスク」も、対応したドライブで再生しないと全く意味を成しませんので注意してください。因みにBDドライブは少々お高めです。

この記事のまとめ

今回も長々と解説しました。しかし、実はパソコンの性能を左右する要素はまだまだいっぱいあります。CPUは他に「キャッシュ」だとか「データバス」、メモリも「メモリーバス」、HDDは「バッファ容量」なんてものもあります。

他にも「グラフィックボード」「サウンドカード」「マザーボード」「ディスプレイ」「電源」など気にするべきものは結構な数あります。今回の記事で書いたことはあくまでも最低限知っておいたほうがよいもので、とりあえずこれだけ理解しておけばある程度のパソコンの性能比較はできるであろうという項目です。

  • 自分のパソコンの性能を理解する
  • パソコンの性能を左右する各要素について理解し、比較することができる
  • パソコン購入の際に気をつける点を覚えておく

他の細かい要素は今のところは理解していなくても結構ですので、まず自分のパソコンはこんなものかという事を知って頂ければ幸いです。