「外出先や仕事場から家のパソコンを操作したい!」
複数台パソコンを所持していたり、外出先や仕事場のパソコン、またはスマートフォンを利用して別のパソコンをリモート操作したい。そういった方は多いと思います。それが叶えば色んなことができますからね。
しかし、パソコンの遠隔操作なんてどうやればいいか。難しいものなのではないか。
そう思っている方も多いでしょう。
ですが、時代はIT社会。嬉しい事にこれくらいのことは誰でもできるようになりました。
今回は、パソコンを遠隔で操作できるソフトウェア「TeamViewer」を紹介します。個人利用に限り無料で使用することができ、しかも難しい操作もない非常に優秀なソフトウェアです。興味のある方はぜひお試しください。
TeamViewer
Windows / Mac OS / Linux と Android / iOS / Windows Phone など多くのOSで使用できる、インターネット経由でパソコンを遠隔操作(リモートコントロール)するソフトウェアです。
個人利用に限り無償で使用可能です。
TeamViewerのダウンロード
Windows版TeamViewerの無料ダウンロード
http://www.teamviewer.com/ja/download/windows.aspx
※▲Windows版のダウンロードリンクですが、他のOSのリンクもあります。
モバイルデバイス向けTeamViewerアプリ(iPhone、iPod touch、iPad、Android、Windows Phone に対応)
http://www.teamviewer.com/ja/download/mobile.aspx
対応OS
Windows 10 / 8.1 / 8 / 7 / Vista / XP
Windows Server 2012R2 / 2012 / 2008R2 / 2008 / 2003 / 2000
Mac OS X / Linux / Android / iOS / Windows Phone / Windows 10 Mobile / Chrome OS
近年のOSならばほとんど動作するようです。
特徴
- 非商用・個人利用に関してのみ無料で利用できます。
- インターネットやLANを経由してパソコンを遠隔操作するソフトです。
- AndroidやiOSなどのモバイル端末からも遠隔でパソコンを操作できます。
- RSA秘密鍵/公開鍵交換/AESセッションエンコーディングに基づく暗号化を採用。
- 2段階認証もできます。
- アクセス用のパスワードは任意に指定したり、ランダムで作成させることができます。
- 数クリックで簡単に遠隔操作できます。
- ファイルの転送、スクリーンショットも可能です。
- マルチモニターにも対応しています。
- 遅い回線の場合でもデスクトップ背景の削除や画質を調整してスムーズに動かせるようにできます。
- プレゼンテーションなどの場面では、複数人にデスクトップ画面を表示させる会議用の機能があります。
- ユーザーアカウント制御がでても操作でき、許可/拒否が指定できます。
個人利用であれば無償で利用できるソフトウェアですが、中々の高機能なソフトです。
インターネットやLANを介してパソコンを遠隔操作するソフトですが、パソコンからパソコンを操作できるだけでなく、AndroidやiOSなどのスマートフォン、モバイル端末からも対象のパソコンを遠隔操作できます。
数クリックで遠隔操作が可能になる手軽さも評価できます。操作されるパソコンと、操作する端末の両方でTeamViewerを起動させておけば、外出先でも遠隔操作が簡単にできます。ファイルの転送やスクリーンショット、チャットなどの機能もあります。これらは暗号化もされているため通信を傍受されることもありません。
TeamViewerのセキュリティ
http://www.teamviewer.com/ja/products/security.aspx
会議用の機能もあり、複数台のパソコンへデスクトップ画面を表示させてプレゼンテーションができたり、チャットなどもできるようになっています。ファイルの転送は会議に参加している人すべてに送ることもできます。
商用で利用する場合はライセンスの購入が必要です。いくつかありますが、Business用では「55,300円」のようです。
ライセンスの概要
http://www.teamviewer.com/ja/licensing/index.aspx
ダウンロードとインストール
今回はWindows環境で解説します。
ダウンロード
Windows版TeamViewerの無料ダウンロード
http://www.teamviewer.com/ja/download/windows.aspx
基本は「TeamViewerフルバージョン」でOKです。
日本語であれば「TeamViewer_Setup_ja.exe」がダウンロードされます。
「TeamViewer QuickSupport(顧客向けモジュール)」というものもありますが、こちらはインストール/管理者権限不要のもので、主に顧客向けに遠隔サポートを提供するために使用します。一時的に遠隔操作させ、終わったらゴミ箱へ捨てるだけで顧客側のパソコンが汚れないようにすることもできます。
インストール
「TeamViewer_Setup_ja.exe」を起動します。
インストールタイプが3つあります。通常は「インストール」でOKです。インストールしてすぐ遠隔操作をさせたい場合は「インストール後、このコンピュータをリモート制御」、実行だけする場合は一番下の「実行」を選びます。
最後に用途を指定、ライセンス条項に同意してインストールを開始してください。
「詳細設定の表示」にチェックを入れると、もうワンステップ追加されて「インストール場所」やリモート印刷の機能などを使用するかどうかチェックをすることができます。
インストールが開始されます。次の表示がでればインストール完了です。
使い方 - リモート操作
できることが多く、全部の機能は解説できないのでよく使う箇所を解説していきます。
遠隔操作をしてみる
リモート操作させるためには、操作させる側と操作される側両方にTeamViewerを実行させておく必要があります。もちろん、双方ともインターネットへ繋がっていることが前提です。
両方で実行させたら、操作される側のTeamViewerに表示されている「使用中のID」と「パスワード」をメモしておいてください。次に、操作させる側のTeamViewerの「パートナーID」にメモした「使用中のID」を入力して「パートナーに接続」を選択してください。
接続が正常にできると、パスワードを入力するウィンドウが表示されます。
先ほどメモした「パスワード」を入力してリモート操作をしてみましょう。
この画面が出ない場合は、正常に相手側のTeamViewerへアクセスできていない可能性があります。インターネットとの接続が正常にされているか、IDを間違えていないか、相手側のTeamViewerが起動されているかどうかを確かめてください。
▲クリックで拡大 / 左がTeamViewerで、右のデスクトップ画面を表示しています。
以上のように、相手側のデスクトップが表示されれば成功です。
マウス操作やキーボードからの入力、ファイルの転送などが行えます。
回線にもよりますが、多少の遅延はあってもかなりスムーズに操作が可能です。
使い方 - 表示系
壁紙の表示/非表示
TeamViewerでは、通信帯域を圧迫しないように接続が開始されると相手側の壁紙を一時的に無効にして真っ黒にします。
それが嫌な場合は有効にすることも可能です。TeamViewer上のメニューに有る「表示」から「壁紙の削除」のチェックを外してください。
最適化
通信帯域を圧迫して満足にリモート操作ができない場合は、速度優先の設定にすると改善される場合があります。
TeamViewer上のメニューに有る「表示」から「画質」を選び「速度の最適化」を選択します。すると、相手側の表示がベーシックモードになり通信量を抑えてくれます。逆に画質を優先したい場合は、少し遅延が発生する可能性があることを承知で「画質の最適化」を選択してください。
「カスタム設定」では、ユーザーの環境に合わせた最適化設定を指定できます。
カラーの指定や、GIFアニメーションの有効化などを指定可能です。
モニターの最適化 / マルチモニター設定
相手のモニター解像度より自分のモニター解像度の方が小さいと、初期設定では相手側の表示を小さくして全画面が表示されるようになっています。それが嫌な場合は、相手側の解像度と同じ表示にすることも可能です。
TeamViewer上のメニューに有る「表示」から「最適化」→「オリジナル」を選択してください。
これで、相手側のモニター解像度をそのまま反映するようになります。
相手の解像度の方が大きい場合、スクロールバーが表示されます。
相手側がマルチモニターの場合、「表示」→「有効なモニター」から表示させるモニターを指定することができます。また、TeamViewer上のメニュー右にあるボタンからも操作できます。すべてのモニターを表示させたい場合は「すべてのモニターを表示」にチェックを入れます。
使い方 - ファイル転送
ファイルの転送は2つの方法があります。
ファイル転送
1つは転送したいファイルを指定して転送する方法です。TeamViewer上のメニューにある「ファイル転送」から「ファイル転送」を選びます。
ローカルコンピューターとリモートコンピューターのフォルダ状況が表示されますので、ドラッグ&ドロップにて転送できます。リモートコンピューターからこちらのローカルコンピューターへ転送させることもできます。
転送に関するログは「ファイル転送イベントログ」にて確認できます。リモートされる側はこの表示の下にある「ファイル転送を停止してください」で転送の要求を停止させることができます。
ファイルボックス
もう1つは「ファイルボックス」を利用することです。
メニューの「ファイル転送」から「ファイルボックス」を選びます。
すると、右下に表示されているTeamViewerのパネル上に「ファイルボックス」の項目がでます。この部分に転送したいファイルをドラッグ&ドロップします。すると、ファイルボックス内に登録され共有可能な状態になります。あとは、相手側の方でボックス内のファイルをダウンロードさせることで転送完了となります。
登録できるファイルは複数指定できます。
使い方 - 操作系
操作する側(ローカル)と操作される側(リモート)を交換する
操作する側と操作される側の役割を交換することができます。
メニューの「操作」から「パートナーと役割を交代」を選択します。これでそれぞれの役割が変わります。
パネルのところにも交代できるボタンがあります。
ショートカットキーを有効にする
操作する側からでもショートカットキーの入力を有効にできます。
先ほどのメニュー「操作」から「キーコンビネーションの送信」にチェックを入れます。
これで操作する側からでもショートカットキーによる操作が可能になります。
リモートで電源操作をする
操作する側から相手側の電源を操作できます。
先ほどのメニュー「操作」から「リモート再起動」を選びます。ここで相手側の「ログオフ」「再起動」「セーブモードで再起動」が操作できます。再起動した後、相手のIDは変わりませんが、パスワードは固定していない場合は変更するので注意です。
使い方 - 音声/動画
リモート先のパソコン音声を再生する
操作されている側のパソコンで再生されている音声を操作している側でも聞けるように設定できます。
メニュー「音声/動画」の「コンピュータでの音声」にチェックを入れることで、相手側の音声が聞こえるようになります。逆に聞こえてほしくない場合はチェックを外します。
チャット/動画
メニュー「音声/動画」の「チャット」や「動画」を選択することで、チャットやカメラを利用した動画転送も可能になります。カメラは別途購入してください。ただ、ノートパソコンなどは最初から搭載している機種もあります。
「VoIP」では音声の調整も可能です。
使い方 - 会議
TeamViewerは複数台のパソコンに対して一斉にアクセスし、会議通信をすることができます。
モードを「リモートコントロール」から「会議」へ変更させます。
会議通信を主催する人は、「会議ID」と「名前」を指定し「インスタント会議の開始」を選択します。
会議通信用のパネルが表示されます。
会議IDを指定しなかった場合、自動で会議IDが作られます。
この会議IDを参加者全員に知らせてください。因みに、会議IDの横のボタンをクリックすると案内用のメッセージが表示されます。ここに表示されるURLはTeamViewerをダウンロードするためのURLですので、相手がすでにTeamViewerを起動済みであれば必要ありません。参加者もTeamViewerを起動させ、同じく会議モードにします。
教えてもらった「会議ID」と「名前」を入力し、「会議に参加」を選択します。
参加ができれば、主催者側のパソコン画面が表示されるようになります。
主催者はさらに「ホワイトボード」によって画面に線や図形を書きながらプレゼンテーションができます。その他に、ファイルボックスやビデオ通信も可能になっています。
表示させるウィンドウやアプリケーションを制限して余計な表示をさせないようにすることもできます。
設定
メニューの「その他」から「オプション」を選択すると、TeamViewerの設定を弄れます。
パスワードを固定にする
「セキュリティ」の項目へ移動します。
「個人的なパスワード」でパスワードを設定すると、指定したパスワードで毎回固定されるようになります。IDは変わりませんがパスワードは起動する度に変更されるので、面倒な場合はパスワードを固定しておくと便利です。
自動変更されるパスワードの長さもここで変更可能です。無効化もできますがセキュリティ上おすすめはしません。
ローカルLAN内でリモート操作したい
インターネットを介さずローカルLAN内でのみ通信しリモート操作することができます。
オプションの「全般」にある「ネットワーク接続」の「受信LAN接続」を「同意のみ」に設定します。
これは操作される側のTeamViewerに設定します。
メイン画面に戻ると、「使用中のID」がローカルIPアドレスに変わるので、これを遠隔操作する側の「パートナーID」へ入力することでインターネットではなくローカルLAN内を介してリモート操作できるようになります。
ローカルLANを使うので、基本的にインターネット通信より高速でスムーズなリモート操作が可能になります。
まとめ
以上、これでメインとなる機能は紹介しました。
個人利用であれば無償で利用できるにも関わらず、その機能は有料のソフトに引けをとらないものとなっています。数クリックでリモート操作が可能になる手軽さに加え、ファイル転送やチャット/動画による会議通信も可能になっています。インターネットだけでなくローカルLAN内でのみの利用に制限することも可能で、別の部屋にある端末も高速にリモート操作できるようになっています。
ちょっとつっかかりにくいソフトかもしれませんが、とても便利なソフトなので興味がある方はぜひお試しください。