Exact Audio Copy【通称:EAC】は、音楽CDを無劣化バックアップする際に利用される定番ソフトです。
CDをリッピングしてイメージファイルの作成が可能です。それだけでなく、エンコーダを通すことでMP3やAACなどの不可逆圧縮形式、「FLAC,APE,TAK,TTA」などの可逆圧縮形式(ロスレス形式)で音楽を取り込むこともできます。
cueシートの作成、ギャップ検出、CDDB対応、CDへのライティング機能、トラック分割機能なども付いています。
以前、可逆圧縮フォーマットである「FLAC,APE,TAK,TTA」の4つについて紹介しました。この形式でCDから音楽を取り込むと、音質の劣化なく高音質でパソコンへ取り込むことができます。まだお読みでない方は以下のリンクから詳細記事に飛びます。
ブログ内リンク:高音質で音楽を聴くため可逆圧縮音源について学ぼう
上の記事で取り込みたい可逆圧縮形式が決まったら、このExact Audio Copyで取り込んでみましょう。
まずはインストール&日本語化と初期設定を解説します。
Exact Audio Copy
ダウンロード
開発者サイト(Andre Wiethoff)
http://www.exactaudiocopy.de/
開発者サイトからダウンロード
http://www.exactaudiocopy.de/en/index.php/resources/download/
k本的に無料ソフト・フリーソフト からダウンロード
http://www.gigafree.net/media/cdripping/exactaudiocopy.html
日本語化
インストール&日本語化(Exact Audio Copy V1.0 beta3 用) – MUSIC PC
http://sonicdisorder.net/eacinstall.php
対応OS
Windows 98/Me/NT/2000/XP/Vista/7(Windows Vista&7の64bit版でも正しく動作しました)
特徴
- 高機能音楽CDリッピングツールです。
- マルチランゲージ(多国語対応)。日本語化も可能。
- 標準ではCDの各トラックをWAV(WAVE)形式で取り込むことができます。
- エンコーダーを別途用意することで任意のフォーマットで取り込むことが可能です。(可逆圧縮も可)
- CUEシートの作成に対応。
- ギャップ検出に対応しています。
- オフセット訂正、オーバーリードに対応しています。
- CDのデータ(歌手名など)をfreedbから自動取得する機能を搭載。
- 録音に対応。出力は標準でWAV形式に対応しています。
- CUEシートに基づいたトラック分割が可能です。
非常に多くのことができる高機能リッピングソフトです。標準ではWAV形式のリッピングにしか対応していませんが、各種エンコーダーをダウンロード&指定することで任意のフォーマットへ自動的にエンコードし取り込んでくれます。
オフセット訂正機能が付いているのも特徴で、これによりドライブごとに発生する読み込み位置のズレを修正できます。
また、freedbからCDデータを自動取得することで取り込んだデータに歌手名などを記録してくれます。
CUEシートに書き込むことも可能です。(CUEシートに関しては次の記事で詳しく解説します)
可逆圧縮形式で音楽を取り込みたいときに利用される定番ソフトです。使い方を覚えてCDデータの無劣化バックアップができるようになりましょう。
(※リッピング:CDなどからデータをコンピューター上に取り込むこと)
ダウンロード
セットアップファイルのダウンロードは以下のページからどうぞ。
2011年10月現在、最新バージョンは「Exact Audio Copy V1.0 beta3」です。
http://www.pcwelt.de/downloads/Exact-Audio-Copy-559739.html
▲PC WELTという外部サイトからダウンロードします。リンク先ページの上に「Zum Download」というボタンがあるのでクリックします。
▲次に似たような画面になりますが、先ほどクリックしたボタンが「Download jetzt starten」に変わっているのでクリックします。3秒間のカウント後、セットアップファイルのダウンロードが開始されます。
インストール
セットアップファイルをダブルクリックし起動、セットアップウィザードが開始されます。「Next」をクリック。
規約が表示されます。同意できたなら「I Agree」をクリックします。
インストール場所を指定します。特に理由が無ければ標準のままで結構です。「Next」をクリック。
スタートメニューの設定です。設定する場所がないので「Next」をクリック。
コンポーネントの設定です。取りあえず全て選択状態にしインストールしましょう。
「Install」をクリックしインストールを開始します。
インストールが完了すると以下の画面がでます。次に日本語化を行いますので「Run Exact Audio Copy 1.0beta3」のチェックは外し「Finish」をクリックします。
日本語化
EACはマルチランゲージ(多国語対応)のソフトですので、言語ファイルを追加していけば
様々な国の言語でソフトを使用できるようになります。
以下のサイトから「Exact Audio Copy V1.0 beta3 日本語言語ファイル」を入手してください。
インストール&日本語化(Exact Audio Copy V1.0 beta3 用) – MUSIC PC
http://sonicdisorder.net/eacinstall.php
言語ファイルは圧縮されているので解凍します。
「解凍ってなに?」という方は以下の記事を参考にしてください。

解凍すると「Japanese.txt」というファイルがでてきます。EACをインストールした場所に「Languages」というフォルダがあるのでそこに「Japanese.txt」をコピーします。
デフォルトでは以下の場所にあります。
32bit版OSの場合「C:Program FilesExact Audio CopyLanguages」
64bit版OSの場合「C:Program Files (x86)Exact Audio CopyLanguages」

ファイルをコピーしたらEACを起動しましょう。
以下のように日本語のセットアップウィザード画面が出たら日本語化成功です。ここから基本設定を行えるのですが、手動で設定した方が理解しやすいのでここでは「キャンセル」をクリックし閉じます。(この画面は後からでも出せます)
うまく日本語にならなかった場合
▲このように起動してもうまく日本語にならなかった場合は、手動で日本語化します。
「キャンセル」をクリックしてください。
▲EACのメニューバーから「EAC」→「EAC Oprions…」を選択します。
▲「General」タブの「language」のリストの中から「Japanese」を選択して、「OK」をクリックします。
これで日本語化されるはずです。
基本設定
それでは基本設定を行います。初期設定のままの使用は推奨しません。
以下は日本語化をした後の表示で解説します。以下、重要な部分の設定のみ行います。詳細な設定は個人で行ってください。
▲設定を適用するドライブをここでまず指定しましょう。
以下のサイトで詳しく解説されています。私のブログでの解説は最低限の設定のみですので詳細な設定も行いたいならこちらのサイトの方がお勧めです。
○MUSIC PC
http://sonicdisorder.net/
EACオプション
▲メニューバーから「EAC」→「EACオプション」とクリックします。
全般
- 「不明なCDが挿入された時」にチェックを入れ、「自動的にオンラインfreedbデータベースにアクセスする」にチェックを入れる。推奨設定です。freedbについては後述する「メタデータオプション」で設定。
- 「取り込み終了時にCDを排出する」にチェックを入れる。
オンラインfreedbデータベースにアクセスすることで自動的にCD情報を取得することができます。
ツール
- 「取り込み後自動的にステータスのログをファイルに保存する」へチェックを入れる。でないとlogファイルが吐き出されません。
- 「チェックサムをステータスログに保存する」にチェックを入れると、エラー検知情報もステータスログに保存されます。
- 「展開時、バックグラウンドで外部エンコーダにキューを入れる」にチェックし、0以外の数値を入れます。変換効率がアップします。推奨は2以上。
- 「外部エンコーダのウインドウを表示しない」のチェックを外します。でないとエンコードの進捗状況が分からなくなります。
書き込み
全部のチェックを外すことを推奨します。(※CDRDAO:フリーの外部ライティングソフト)
ファイル名
出力されるファイル名を変更できます。「%tracknr2% %title%」と入力すれば「2桁のトラック番号 曲名」なります。使用できるコマンドは一覧で表示されているので、それを参考に組み合わせてみるといいでしょう。
整理のしやすいファイル名にすると後々楽になります。CD丸ごとひとつのファイルにまとめ、cueシートを出力する方法の場合は「CDタイトル – CDアーティスト」になります。これはメイン画面上部で変更できます。
ドライブオプション
▲メニューバーから「EAC」→「ドライブオプション」とクリックします。
取り込み方法
セキュアモードで取り込むことをお勧めします。「キャッシュ」や「C2エラー」はドライブ毎に性能が異なりますので「読み込み性能検出」「C2エラーに関する特性の調査」を実行して調査しましょう。
▲CDを光学ドライブに挿入して「読み込み性能検出」を実行してみました。どうやら私のドライブは「キャッシュ」は使えず、「C2エラー情報」は検出できるようです。
ギャップ検出
「ギャップ/インデックス検出方法」は「A」「B」「C」の3つを選べます。これは実際にCDからそれぞれの検出方法でリッピングし、一番早くリッピングできた方法が最適な検出方法となります。
「検出精度」は「安全(セキュア)」で問題ないかと思います。
エンコードオプション
▲メニューバーから「EAC」→「エンコーダオプション」とクリックします。
外部エンコーダ
EACで一番重要となる設定です。
ここで任意のエンコーダーを指定することで、EACは様々なフォーマットにデータをエンコードしながらCDデータをリッピングできるようになります。
詳細な設定方法は次の記事で解説します。
メタデータオプション
▲メニューバーから「EAC」→「メタデータオプション」とクリックします。
freedb
EACはFreeDBに対応しています。CD情報をネットから自動取得するための設定です。
FreeDBとは、ネットを通じてアーティスト名などの情報を取得できるCDデータベースサービスです。
- 「E-Mailアドレス」には適当なアドレスを入力します。(a@b.comなど)
- 「FreeDBサーバー」には日本語対応のFreeDBサーバーアドレスを入力します。
「http://freedbtest.dyndns.org:80/~cddb/cddb.cgi」このアドレスをそのまま貼り付けましょう。
メタデータプロパイダ
EACv1.0以降、3種類のメタデータ取得方法が設定できるようになりました。
CDが挿入された状態であれば、メタデータプロパイダはEACメイン画面からでも指定できます。(画像右)
Internal freedb Routines(組み込みfreedbエンジン)
EAC標準のメタデータの取得方法です。先ほど「freedb」で指定したサーバーへCD情報を取得しにいきます。
freedb Metadata Plugin
EACv1.0b1から追加されたプラグインです。ジャケット画像検索機能などがついています。
GD3 Metadata Plugin
EACv1.0b2から追加されたプラグインです。こちらは有料のデータベースサービスですのでお金が必要です。
基本設定はこれで終了
これでインストールから基本設定までの解説を終了します。
Exact Audio Copyは高機能なリッピングソフトなのですが、それ故設定する部分も多いです。しかし、一度設定してしまえば後はリッピング方法を覚えるだけですので頑張って設定しましょう。まず、初期設定のままだと上手く動作しないと思います。
EACは有名なソフトですので、色んなサイトで詳細な使い方が解説されています。このブログは一応初心者講座を名乗っているので最低限の設定のみ解説しています。詳細な設定を行いたい場合は別のサイトを参考になさるといいでしょう。
それでは、次回は実際にCDから可逆圧縮フォーマットで音楽をリッピングしてみましょう。
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